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「羅府新報」02/26/13

 
 「日本映画史上最高の俳優は?」との問いに「市川雷蔵!」と答える人が今でもかなりいる。

 ヒーローから精神障害者までありとあらゆる役をこなし、演技力、カリスマ、人気、ルックス、人望、映画会社の後押し、すべてそろった雷蔵に唯一つ欠けていたのは「長寿」だった。

 37歳(1931-1969)の若さで亡くなった後、40年たっても「大雷蔵祭」が催される不世出の大スター。1954年のデビュー以来わずか15年ほどの間に出演した作品が159本。そのほとんどで主演を務め、晩年の代表シリーズが「眠狂四郎」なのだ。

 暗い過去、ひねくれた性根。正義漢の本音が入り交じる複雑なアンチヒーローの眠狂四郎を、雷蔵がその底知れない魅力で演じたこのシリーズは時代劇ファン必見といえる。一流監督の多彩な演出、柴田錬三郎原作の奇想天外なストーリー、お約束の美女の誘惑、そして必殺技の円月殺法から始まる見せ場満載の殺陣。角川映画が多額の費用をかけて修復したクラシックな色彩の美しい映像も見所。

 このシリーズの12作目は雷蔵の遺作の一つともなったもので、末期癌の体で最後の力を振り絞った雷蔵の演技は凄みを増し、死と隣合わせに生きた狂四郎と重なるものがある。

 全12作の映画シリーズを3箱のDVDスリムボックスセットに分けてアニメイゴが北米でリリース。その第3弾(9-12作目)が12日に発売された。

  

 

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