赤い手裏剣 1965年大映88分カラー

〜鉱山景気で沸くとある宿場町では、３組の対立するやくざ組織が抗争を繰り広げ、すっかり無法状態と化していた。ある日、仏の勘造一家と絹屋源兵衛一家が小競り合いをしているところへ、手裏剣使いの名人である風来坊の浪人・伊吹新之介が割り込んで入り、見事な荒技で双方を軽くやっつけてみせる。そんな彼の腕前にすっかり惚れ込んだ第３のやくざの親分、炭屋松次郎に客分として招かれた新之介は、50両の報酬の約束を交わすと、早速、仏一家に乗り込んで賭場荒らしをし、相手の度肝を抜く。続いて新之介は、今度は仏の勘造に自分を100両で売り込んで、絹屋と炭屋を潰す約束を取り交わし…。〜

江戸へ百七十里　1962年大映84分カラー

 〜津山十万石の藩主・小森家のご落胤として生まれながらも、双子の弟であったため、幼い頃に里子に出され、市井の一青年として自由にのびのびと育った長谷部平馬。ところが彼の兄である正嫡・小森亀之助が、世継ぎをめぐるお家騒動に巻き込まれ、悪徳次席家老の手塚一派に毒を盛られて重い病に臥せるという一大事が出来。かくして急遽、兄の代役として、松平家の姫君との見合いの席に臨むハメとなった平馬だが、当の見合い相手が、実は先にひょんなことから知り合い、意気投合していた福姫と知ってひと安心。福姫の方も、平馬が実は替え玉であるとも知らずに大喜びするが、その後江戸へと向かう彼らの道中を、手塚一派がなお執念深く追い回して…。〜

ジャン有馬の襲撃　1959年大映115分モノクロ

 〜慶長14年、イベリア王国の植民地・珠江で、御朱印船の船員ら10人の日本人が銃殺刑に処せられたうえ、それに抗議する民衆をイベリア兵たちが武力で無理やり鎮圧するという忌まわしい事件が発生。それからひと月ほど後に、イベリア船デイオ号が長崎に入港。船長のカストロは、珠江での出来事はあくまで日本人側の過失であると主張し、徳川幕府に対し、損害賠償と謝罪の要求をつきつけてくる。事態を重く見た長崎奉行・長谷部兵庫允は駿府の家康公と島原のキリシタン大名・有馬晴信に急使を遣わす。晴信は、デイオ号の捕虜となっていた小畑三郎兵衛の口から事件の真相を聞くと、家康のもとに馳せ参じ、イベリアへの報復にデイオ号を攻撃する許可を願い出るのだったが…。〜

花の渡り鳥　1956年大映81分モノクロ

 〜下野から下総へと入る国境・権現山の崖下で、瀕死の男・七兵衛から、娘のおみねへの伝言を頼まれた、島帰りの旅鴉・榛名の清太郎。その言伝を届けに旅を急ぐ道中、清太郎は今度は、盗品の財布をいきなり預けられて、女スリ師である見返りのおぎんとその相棒の蜩の半次と知り合い、すっかり清太郎に惚れ込んだおぎんたちにつきまとわれるハメとなる。実は清太郎には、かつて互いに将来を誓い合ったおしのという女性がいたが、久々に故郷の村に戻ってみると、おしのは、清太郎のかつての弟分、佐吉の恋女房となっていたことが分かって…。〜

喧嘩鴛鴦　1956年大映83分モノクロ

 〜京は三条大橋から、叔父の手紙を持って江戸へと向かう旅に出発しようとしていた美剣士の保科新八郎は、大道易者の頭天堂から、48もの女難が行く手に待ち構えていると告げられる。はたして新八郎の旅は、家老の娘・朱美、鳥追い女のおけい等、さまざまな妙齢の女性たちから追いかけられるご難続きの道中。そのうえ新八郎は、大目付への密書を持って同じく東へ向かっていたものの、あえなく途中で刺客の穴沢一味に命を奪われるハメとなった関白鷹司家の腰元・浪路から、今わの際に大事な密書を託される。かくして、新八郎の行く手には剣難も加わることとなり…。〜

忠臣蔵　1958年大映164分カラー

 〜江戸時代の元禄14年３月、江戸城の松の廊下で、赤穂城主・浅野内匠頭は、度重なる侮辱と嫌がらせに遂に耐えかね、勅使接待役指南の吉良上野介に対して刃傷沙汰に及び、浅野家は家名断絶のうえ、内匠頭は切腹。一方、吉良に対してはお咎めなしとの幕府の裁定が下る。その悲報を知らされた、大石内蔵助を筆頭とする赤穂浪士たちは、亡き主君のために仇討ちをすることを誓い合った末、その決意が周囲には気づかれないよう、細心の注意を払いながら、江戸へと向かう。そして幾多の艱難辛苦を潜り抜けた末、彼らは、翌年の12月14日、宿敵・吉良邸に討ち入って、遂に宿願を達成し…。〜

剣　1964年大映95分モノクロ

 〜東和大学剣道部の主将・国分次郎は、ひたすら剣の世界に純粋に打ち込み、自分自身はもとより、他の部員たちにもストイックな生き方を強いる真面目一筋の青年。そんな彼を、剣道部の新入部員・壬生は、憧れと尊敬の眼差しで見つめるが、一方、国分とは同級生で剣道３段の腕前を持つ賀川は、剣を愛することは同じでも、適当に遊ぶことも必要と考えるタイプの人間で、真面目一本槍の国分にはついていけないものを感じていた。やがて全国大会での優勝をめざして、剣道部の夏の強化合宿がスタート。国分は毎日猛特訓を課し、すっかり音をあげる部員たちが続出するなか、ある日賀川は、国分が不在の間に、本来禁止されている水泳に彼らを誘い出し…。〜

銭形平次捕物控 幽霊大名　1954年大映90分モノクロ

 〜近頃、江戸の市中を騒がせる辻斬りや婦女誘拐の犯人が３万８千石の大名・金森家の屋敷に潜んでいるらしく、しかもそこでは当主と瓜二つの幽霊が出没して、周囲の人々を怯えさせている…。そんな町の噂を耳にして、早速、銭形平次が調査に乗り出すが、そんな矢先、平次の恋女房・お静が何者かにさらわれてしまう。それにひるむことなく、なおも調査を続けるうち、平次は、金森家の本来の当主・万之助が目が悪くて床に臥せりがちなのをいいことに、彼とは双子の弟にあたる千之助が、当主になりすまして、悪行の限りを尽くしていることを知り…。〜

切られ与三郎　1960年大映95分カラー

 〜与三郎は、江戸の蝋燭問屋の主人、伊豆屋与左衛門の家に養子として迎えられたものの、その後、与左衛門夫婦の間に実子が生まれたことから、何かと肩身が狭くて遂に家を飛び出し、趣味の三味線で気をまぎらわせる毎日を送っていた。そして、伊豆屋の家督が義弟に譲られるらしいことを知った与三郎は、江戸を離れ、ひとり旅に出る。やがて木更津に流れ着いた与三郎は、そこで地元の網元、源左衛門の囲い者となっていた料亭の女将、お富とわりない仲となるが、それが源左衛門の知れるところとなり、遂に覚悟を決めた与三郎とお富は心中を試みるのだが…。〜

ザッツ雷蔵！市川雷蔵作品集

眠狂四郎勝負 1964年大映83分カラー

〜狂四郎が、ある日、偶然に出会った老人は改革派とされる勘定奉行。幕政改革を進めるために、彼は守旧派から命を狙われていた。奉行の人柄に惹かれた狂四郎は、彼の命を守るため守旧派一派と闘うことを決意する。シリーズの方向性を決定づけた作品として特筆される１編。シリーズ第２弾。〜

眠狂四郎殺法帖　1962年大映86分カラー

 〜市川雷蔵主演の“眠狂四郎”シリーズの記念すべき第１作。ある夜、狂四郎は大川端で謎の忍者集団の襲撃を受ける。そして、それが契機になって狂四郎は前田藩主と豪商・銭屋五兵衛とが結託する大規模な密貿易の陰謀に巻き込まれていき・・・。円月殺法初登場のシーンは必見。〜

〜山崎豊子の原作を、監督・市川崑、主演・市川雷蔵の「炎上」コンビが映画化。老舗の足袋問屋の若旦那が放埓な女性遍歴を重ね、商魂を培ってゆく様を雷蔵がひょうひょうと妙演。四代続いた船場の足袋問屋河内屋の跡取り息子・喜久治は、店を取り仕切る祖母と母の言うままに生きている。父の死で五代目となった喜久治は、芸者のぽん太と幾子を愛人にし、さらにカフェの女優・比佐子ともいい仲になり･･･。〜

〜被差別部落出身であることを隠して生きる青年の運命を綴った島崎藤村の名作を、「炎上」「ぼんち」に続いて市川崑監督と市川雷蔵が組んだ第3作目。藤村志保の映画デビュー作。明治30年代の信州。小学校教師の丑松（市川）は亡き父の言葉に従い、被差別部落出身であることをひた隠しにしている。丑松は部落民解放を叫ぶ運動家・猪子（三國）を慕うが、猪子にも秘密を打ち明けられない。やがて丑松が部落出身であると噂が流れる。〜

〜幾度も映像化されてきた文豪・泉鏡花の代表作を、監督・三隅研次、主演・市川雷蔵で4度目の映画化。芸者のお蔦と帝大生の主税の、身分の違いゆえの許されない悲恋物語。12歳の時から10年間、帝大の酒井教授の書生として養育された主税。兄妹のように育った教授の娘・妙子が自分に恋していることを知り、教授にすまないと思った主税は家を出て、かねてから恋仲だったお蔦と所帯を持つが・・・。〜

〜遠州掛川宿を預かる次郎吉は町民をかばい、浜松城主・本多備前守に殺害された。掛川一家は仇討ちをするかどうかで紛糾するが、大黒柱の喜三郎によって一家は解散することとなった。だが喜三郎は本多一派の目をそらして水面下で仇討ちの機会を伺っていたのだ。喜三郎を怪しむ浜松城城代家老・小松平左衛門は、息子の伊織に命じてその動向を探らせるが……。〜

〜狸御殿ではきぬた姫が隣国の狸吉郎と見合いをすることになったが、なんと姫は人間社会へ家出してしまう。そこで姫と瓜二つのお黒に代役として白羽の矢が立てられた。お黒にはお互い気持ちを打ち明けずにはいたが、実は相思相愛の間柄である薬売りの栗助がいた。だが、そんな気持ちを知らぬ家老の狸右衛門はドサクサにまぎれて、歌や踊りを盛り込んだ狸祭を見合いと同時に開催、狸吉郎の心はお黒に向かう。ところが、人間界で誰にも相手にされなかったきぬた姫が帰ってくるという。それを知ったお黒の父・泥右衛門は玉の輿に乗るチャンスを逃さんと、悪党に姫を襲わせようとする……。〜

〜阿波徳島党の首領が江戸へ向かう途中、文福党の刺客に襲われて負傷を負ってしまう。狸の国の雷吉と新助は首領の代理で江戸へ向かうこととなり、時の有名人・弥次喜多に化けて阿波の地を出発した。後を追ってきた刺客のきぬたが悩殺戦法で喜多八に迫るが、弥次郎兵衛の機転で危機を脱した。二人は文福党の悪事を暴き、大王選挙が行われるという江戸の狸御殿までたどり着くことが出来るのか！？〜

〜剣に憑かれた青年・千葉周作は江戸へ出て、浅利又七郎の道場へ入門した。剣の腕はめきめきと上達し、又七郎の娘・千夜と相思相愛になるも、横恋慕する兄弟子・寺田兵馬を斬ってしまう。師匠・又七郎は、「剣は心だ、心を持って心を斬るのだ」と諭すが、その言葉は周作の耳には入らず、道場を去ることとなった。周作は剣の道を極めんと、諸国を巡り歩くが……。〜

〜徹底したケチぶりで、両替商近江屋へと出世した仁兵衛。娘のおなつのもとへ市之助との縁談が持ちかけられるが、おなつは番頭の忠三郎を慕っていた。市之助の母・お徳は仁兵衛以上にケチで、仁兵衛に異存はなかったが、女房のお筆は猛反対。お筆は仁兵衛と激しく言い争った末、喀血して倒れるが、仁兵衛が薬をケチったために死んでしまう。〜