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 『刺青』『清作の妻』などで、どんな障害にも負けず自分の欲望を貫く女性像を描いた増村保造は、それを男性に置き換え戯作的に描いた。

 但馬屋の一人息子、世之介は父親の心配をよそに放蕩三昧。怒った父は世之介を江戸の出店に修行に出すが、そこでも世之介はしたい放題で、ついに勘当される。頭を丸めた世之介は、流転の末、私娼のヒモにまで成り下がっていく。やがて父が死に、但馬屋を引き継ぐやいなや金にまかせての女遊びの毎日で、お上に財産を没収されてしまう。世之介は好色丸に乗り、新世界に向けて船出するのだった。

 

 


as of 05/26/21