父は新派の名優で映画にも数多く出演した小堀誠、母・ぎん。4歳で新派の舞台を踏む。金富小学校から、26年、京華中学に進み、30年に中退し、井上正夫に師事する。41年、横須賀重砲連隊に入隊、45年12月復員。47年7月に発足した東横映画にスカウトされ、同年12月片岡千恵蔵主演『三本指の男』に小堀明男の芸名でデビュー、48年4月正式入社する。
51年、大映京都に転じ、大河内伝次郎の『上州鴉』『逢魔が辻の決闘』51年に助演、『瞼の母』52年では三益愛子のおはまに対し番場の忠太郎を演ずる。52年3月、東宝に転じ脇役出演後、同年12月のマキノ雅弘監督『次郎長売出す』で次郎長に抜擢される。松浦健郎、小国英雄、橋本忍らの絶妙のシナリオ、マキノ雅弘の語り口のうまさ、それに河津清三郎(大政)、水島道太郎(小政)、田崎潤(桶屋の鬼吉)、森繁久弥(森の石松)らの芸達者とのチームワークもよく、以後『次郎長三国志』のタイトルで傑作シリーズとなり、その『次郎長初旅』『次郎長と石松』『勢揃い清水港』『殴込み清水港』『殴込み甲州路』『旅がらす次郎長一家』(53年)、『初祝い清水港』『海道一の暴れん坊』『荒神山』(前後篇)(54年)の計10本に主演、代表作とする。
続いて『恋風街道』や『新鞍馬天狗』シリーズ『天狗出現』『東寺の決闘』(54年)に主演するが人気が伸びず、以後は脇役に回る。東宝時代劇が激減していくなかで三木のり平主演『次郎長意外伝』シリーズ『灰神楽の三太郎』『大暴れ三太郎笠』『大暴れ次郎長一家』(57年)ぶ次郎長役で、『柳生武芸帳』に松平伊豆守で助演するが、明治物『嵐の中の男』(57年)に三船敏郎の敵役を演じたり、勝手のちがう現代劇『浮気旅行』(56年)に助演したこともある。 57年9月、時代劇にあくまで活路を求めフリーとなって大映京都の『雪の渡り鳥』(57年)を最初に、大映、松竹、新東宝の時代劇に数多くバイプレヤーとして出演、大映ではほかに『人肌牡丹』(59年)、『切られ与三郎』『濡れ髪牡丹』(60年)など、松竹では『天保水滸伝』(58年)ほかがある。 70年の日活ニュー・アクション『斬り込み』を最後に映画を離れ、舞台に転じた。59年の大映『女と海賊』から阿吉雄と改め、61年の大映『喧嘩富士』から明男に戻したが、76年からは阿吉雄とした。 41年に結婚した、よね子夫人との間に三男三女。 |